卵子の老朽化を予防する「ビタミンC」
ビタミンCは柑橘類の成分が壊血病を予防することから発見されたアスコルビン酸という水溶性のビタミンです。
別名「抗酸化ビタミン」と呼ばれていて、その名の通り抗酸化作用が非常に強い栄養素となっています。細胞が酸化(=サビること)することで細胞に傷がつくと、老化や生活習慣病を引き起こします。
細胞膜は脂質やたんぱく質、糖質などから生成されているのですが、それらが損傷することで、細胞が持っている機能が低下したり、機能不全に陥ってしまいます。
卵子も同じように、卵子が酸化することは、すなわち卵子が老化することと同等の意味を持つのです。
この酸化を引き起こしている要因が活性酸素です。
それでも幸い、私たちの体には活性酵素を消去する力が備わっています。
抗酸化作用のあるビタミンCもそのひとつで、体内で発生する活性酸素を除去してくれる働きがあるのです。
ビタミンCの主な効果や働き
- 活性酵素を除去する
- 酸化されたビタミンEを再生する
- コラーゲンの合成を促進する
- 感染症を防ぐ
- アレルギーを抑制する
- 白血球を活性化させる
- 風邪の初期症状への治療効果
美肌、美白、しみ予防といった効果を持つ他、風邪や生活習慣病への効果も持つことからベーシックなサプリメントとして利用されることが多い栄養素です。
活性酵素を除去する
人間は常に活性酵素を体内に生成しています。呼吸で取り込んだ酸素の約2%も活性酵素になると言われているほどです。
また、ストレスを受けたり、紫外線によっても活性酵素は溜まっていきます。
活性酵素を除去することによってカラダの酸化(老化)を予防し、加齢による生殖機能の低下を防ぐことができます。
生殖機能の低下は不妊体質にも大きく関わるため、妊娠力を高めるためにも活性酵素は出来る限り除去することが望ましいです。
酸化されたビタミンEを再生する
ビタミンCと同様に抗酸化作用の高いビタミンEは活性酵素と戦う同士ですが、働き過ぎると酸化されて効力が失われてしまいます。
そこでビタミンCがビタミンEに電子を分け与えることでビタミンEは再び働くことができるのです。
そのため、ビタミンEとビタミンCは一緒に摂取するのが望ましいと言えます。
コラーゲンの合成を促進する
美肌のために良いと言われるコラーゲンですが、女性ホルモンに関わる働きをするため、実は妊活にも良いと言われています。
コラーゲンは本来プロコラーゲンと呼ばれる未熟なままなのですが、ビタミンCを加えることによってコラーゲンになり、その生成量も増えていきます。
そのため、ビタミンCが不足してしまうとコラーゲンが体内で十分に生成されず、肌の弾力や骨や関節なども弱くなってしまいます。
感染症を防ぐ
「風邪の時はビタミンCをたくさん摂った方が良い」
というような話があるように、ビタミンCはウイルスやヘルペスといった感染症を予防する働きを持っています。
実際にビタミンCの点滴治療薬があるほどその効果は高く評価されているのです。
アレルギーを抑制する
風邪などの感染症だけでなく、ビタミンCはアレルギーも抑制する働きを持っています。
アトピーなどのアレルギーが発症すると体内で大量の活性酵素がつくられてしまい、炎症が起きてしまいます。
炎症はもともと自分のカラダと菌が戦っている証ですが、ビタミンCは活性酵素を除去することによってこの炎症を抑える役割を果たすのです。
白血球を活性化させる
もともと体内の血液中の白血球やリンパ球には多くのビタミンCを含んでいますが、体内にウイルスが侵入して来るとそれらと戦うことになります。
ビタミンCを補ってあげることにより白血球を活性化させ、ウイルスや菌に対抗する力を強めます。
風邪の初期症状への治療効果
ビタミンCを摂取することによってウイルスや菌への抵抗力が高まることを解説しましたが、抵抗力が高まれば風邪はひきにくくなり、自然治癒力を上げることができます。
特にウイルスが侵入した際に最初の防御壁の1つがビタミンCなのです。
ビタミンCが不足すると?
- シミやシワができる
- 風邪をひきやすくなる
- 疲れやすい
- アレルギー症状がでる
- ストレスに弱くなる
- ガンの予防・改善
私たちは、生きているだけで、常に活性酸素の脅威にさらされているといえます。
たとえば、ストレスや毎日の飲酒、喫煙、糖質の多い食事、激しい運動や紫外線などは活性酸素の発生を促します。
すると、ビタミンCもどんどん失われてしまいます。
妊娠体質になるためには、活性酸素の発生要因であるものをなるべく避けて、ビタミンCなどの抗酸化作用の強い栄養素をたっぷり補給し、卵子の老化を遅らせる必要があります。
ビタミンCの目安摂取量や上限値は?
妊活や妊娠のためにビタミンCを摂取するのであれば1日110mgを目安に摂取するようにしましょう!
日本では特に摂取上限値は定められてはいませんが、米国では1日2000mgとされています。
それを超えること過剰摂取になる可能性もあり、胸やけや下痢といった副作用を引き起こすこともあるとされています。
ビタミンCは体内のあらゆるところで抗酸化力を発揮し、水溶性ビタミンのため役目が終わると尿中に排泄されます。
そのため、過剰摂取による副作用などの心配はありません。
ただし、だからと言って一度に大量に摂取するのではなく、できるだけこまめに回数を分けて摂取することで、血中濃度を保つようにすることが大切です。
ビタミンEと相性が良い
上記でも解説しましたが、ビタミンCはビタミンEと組み合わせることで相互作用が生まれ、抗酸化作用が高まることが有名です。
卵子の老化予防としてサプリメントを選ぶ際はビタミンCと共にビタミンEも配合されたサプリメントを選ぶようにしましょう。