葉酸サプリを摂取するビタミンAの過剰摂取になるの?

ビタミンA妊活中の葉酸サプリ摂取については、厚生労働省が推奨するようになったことから、多くの妊活カップルや妊婦さんが摂取するようになりました。

しかしまだいろいろな不安があって、葉酸サプリについて迷っている人もいますが、そんな迷いの一つにビタミンAに対しての不安が多く聞かれます。

ビタミンAの摂りすぎは妊活中、妊娠中は要注意と言われているため、ビタミンA配合の葉酸サプリについても不安を感じている人もいるのです。
そこで葉酸サプリを摂取する上での、ビタミンA過剰摂取についてご説明していきましょう。

妊活中、妊娠中のビタミンA過剰摂取について

妊活中や妊娠中のビタミンAの過剰摂取は避けなければなりません。
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一つで、体内に吸収されなかった分は排出されずに、体内に溜まってしまう可能性があります。

過剰摂取すると嘔吐、吐き気、頭痛などの体調不良を引き起こす可能性があり、赤ちゃんの奇形につながる可能性もあるという報告があります。
特に器官形成期の妊娠3カ月までのビタミンAの大量摂取が、一番影響を受けやすいと言われており、そのため厚生労働省でもビタミンAの過剰摂取に注意喚起をしているのです。

とはいってもビタミンAの欠乏は、逆に健康を害してしまい妊娠中にも良くないため、必要量を摂ることと、過剰摂取に注意することの両方を意識することが大切になります。

妊娠中のビタミンAの1日の摂取目安量と上限

食事する女性内閣府の食品安全委員会による妊娠中1日のビタミンAの食事摂取基準量は650~780μg耐容上限量レチノール当量は1650μgとなっています。
ちなみにβ-カロテンには上限はありません。

普通の食事をしていても特に摂取オーバーになることは、まずないと考えていいでしょう。
しかしウナギやレバーには異常に多く含まれており、例えばウナギなら1日50gまで、レバーなら約数g程度となります。
つまり妊活中や妊娠中は、ウナギやレバーは特に注意することが必要となります。
逆にそれ以外は、それほど注意することはないと言えそうです。

ビタミンAの重要性(妊娠中も含む)

ビタミンAの過剰摂取を考えると、ビタミンAを摂らないようにしたくなりますが、ビタミンAにはとても重要な働きがいろいろあります。

ビタミンAは皮膚を正常に保ち、細胞膜、血管、神経などを強化し守るという重要な栄養素なのです。
粘膜が弱くなると風邪引きやすくなったり、細菌やウイルスが侵入しやすくなり、免疫とも深く関わっているのです。

妊活では受胎をした受精卵を子宮内で着床させるために、粘液と粘膜で作られた受精卵のベッドとも言われている部分をしっかりつくりますが、そこにもビタミンAは不可欠。
もちろん妊娠してからも、赤ちゃんの細胞膜や血管、神経などを作るためにも不可欠となります。
このようにビタミンAは、健康、美容、妊活、妊娠中のどの部分にも、とても重要なビタミンなのです。

β-カロテンとレチノール

体内に入ってビタミンAに変換されるものには、β-カロテンレチノールがあります。
ウナギやレバーなどに多く含まれる動物性ビタミンAがレチノール。
緑黄野菜などに多く含まれているビタミンAがβ-カロテン。
そしてビタミンAの過剰摂取で問題になっているのは、動物性ビタミンAのレチノールなのです。

逆にβ-カロテンは体内でビタミンAが不足したときのみ、必要な分だけビタミンAに変換される成分であり、必要なければビタミンAには変換されません。
そのため細胞膜や血管を強くしたり、免疫を高めるなど体が必要と感じた分だけ変換されるβ-カロテンを、しっかり摂取することがとても重要なのです。

葉酸サプリにはビタミンAは入っていないor微量のため問題ない

普通の食事をしていれば、特に摂りすぎにはならないと言われているビタミンAですが、妊活や妊娠中に摂取することの多い葉酸サプリなどにはビタミンAが含まれていないものがほとんど

含まれていても1mg以下であったり、β-カロテンとして野菜由来の成分が不足しないように配合されているものがほとんどなので安心して摂取することができます。
逆にβ-カロテンはたっぷり配合されているものがおすすめです。

例をあげると人気のベルタ葉酸は微量の0.45㎍ほど配合されており、はぐくみ葉酸ママニック葉酸などには配合されていません。

ビタミンA(レチノール)の多く含まれている食品

鶏肉(レバー)14000μg/100g
豚肉(レバー)13000μg/100g
あんこうの肝8300μg/100g
うなぎの肝4400μg/100g
レバーペースト4300μg/100g
マーガリン1800μg/100g
うなぎのかば焼1500μg/100g
ほたるいか1500μg/100g
牛肉(レバー)1100μg/100g
ぎんだら 1100μg/100g
フォアグラ1000μg/100g
あなご890μg/100g
鶏はつ(心臓)700μg/100g
バター500μg/100g
あゆ(養殖/焼)480μg/100g
わかさぎの佃煮460μg/100g
たまごの卵黄470μg/100g
いくら330μg/100g

など。

β-カロテンが豊富な食べ物

せん茶の茶葉13000μg/100g
わかめ(素干し) 7800μg/100g
パセリ7400μg/100g
バジル6300μg/100g
よもぎ5300μg/100g
あしたば(生) 5300μg/100g
ほうれん草(生)4200μg/100g
にら(生)3500わけぎμg/100g
270 味付けのり32000μg/100g
抹茶(粉)29000μg/100g
焼きのり27000μg/100g
しそ11000μg/100g
にんじん8600μg/100g
モロヘイヤ10000μg/100g
ほうれん草(ゆで)5400μg/100g
しゅんぎく(ゆで)5300μg/100g
かぼちゃ(西洋) 4000μg/100g
糸みつば4100μg/100g
しゅんぎく(生)4500μg/100g
だいこん(葉)4400μg/100g
かぶ(葉)3200μg/100g
おかひじき3200μg/100g
つるむらさき3000μg/100g
ケール 2900μg/100g
しその実2600μg/100g
ちんげん菜(ゆで)2600μg/100g
なの花2400μg/100g

など。

ビタミンA以外の注意すべき脂溶性ビタミン

ビタミンAの他にも妊娠中、不足はしないようにしたいビタミンであっても、過剰摂取は注意しなければならない脂溶性ビタミンは、ビタミンDビタミンKです。

ビタミンD

ビタミンDは骨や歯を作るため、カルシウムやリンと同時に欠かすことのできないビタミンと言われています。
特にカルシウムやリンの吸収には不可欠なビタミンであり、血中カルシウム濃度を高めて骨や歯への、カルシウムやリンの沈着をサポート。
妊娠中は赤ちゃんの骨格や歯などを作るためにも重要なビタミンであり、不足すると骨や歯の成長にも影響してしまいます。

妊婦1日の推奨量は7.0μgで、普通の食事をしていれば特に摂りすぎもありません。
上限は100μgとなっていますが、1日の摂取量から考えて100μg以上摂るには、薬品やサプリの乱用などをしなければあり得ない数値だとも言えます。

ビタミンK

またビタミンKは血液凝固作用があり、不足すると出血が止まりにくくなります。
特に妊婦は出産時に出血が止まらないということにもなりかねません。
妊婦の1日の推奨量は1日150μgと言われており、上限は特になし。

しかし妊娠後期に大量にビタミンKを摂取することで、赤ちゃんに黄疸が出ることがあります。
そのためやはり上限がないと言っても1日の推奨量を大きく超えないようにしましょう。

あまり敏感にならないことも大切

このように注意すべきビタミンのお話をすると、やはりとても敏感になりすぎる傾向があります。
しかしどれも上限を超すほど摂取するのは、よほど異常な食べ方やサプリなどの乱用がなければ難しいと言えます

ただしビタミンAに関してはレバー系とウナギ系を特に注意をし、後は偏りなく食べていれば特に問題はありません。
また少しでも推奨量を超えないようにとデリケートになることはなく、気を付ける程度でOK。
一番注意したいのは上限を大きく超えることや、上限前後を摂り続けてしまうことなのです。

妊娠中などはとても精神的にもデリケートな時期です。
あまり細かいことでイライラしたり不安になることは逆に体に良くありません。
注意すべきポイントだけをつかんで、楽しく美味しい食事をすることも大切です。

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